• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

意味概念の再構築と精神疾患における意味生成の不全(現象学と精神医学の相補的研究)

研究課題

研究課題/領域番号 15720007
研究機関日本大学

研究代表者

村上 靖彦  日本大学, 国際関係学部, 助教授 (30328679)

キーワード自閉症 / 心的外傷 / 現象学 / レヴィナス / フッサール
研究概要

本年度は、とくに心的外傷と自閉症の研究において成果をあげた。
心的外傷に関しては、過去3年ほどの研究をもとに日本(「外傷体験時の解離について」)とフランスの雑誌(<<De la dissociation au moment de repreuve traumatique>>)に一本ずっ解離現象についての論文を発表した。17年度に続きを発表する予定である。
自閉症に関しては、国立成育医療センター発達心理科医長宮尾益知先生のもとで継続的に研究を行った(参照:www.ncchd.go.jp/nennpou15/4-1-7-2.pdf)。その結果一本の論文(「自閉症者のシェルターと安心感の起源としての間身体性」)を発表するとともに、5月の日本哲学会(「超越論的主観性を支える間身体性についてー自閉症を手がかりに」)と、3月のフッサール研究会(「表現の構造『論理学研究』第一研究」と自閉症児の言語障害」)で合わせて二本の口頭発表を行った。これによって、自閉症児特有の常同行為、身体構成の不全、特異な言語使用の構造解明について現象学の視点から貢献を行うことができた。今後も学会発表を行うとともに随時論文にまとめ、発表してゆく予定である。
その他にも帝京大学・自治医科大学の精神科医の先生方を中心とする研究会、自治医科大学・杏林大学の精神科医の先生方の研究会に参加し、精神病理学に関する理解を深めた。
純粋な哲学研究の分野においては、レヴィナスについて日本で一本、フランスで共著論文を一本発表した。特に前者は、事実性・情動性の側面から意味現象を考察し、その限界値の構造を見定めようとする試みである。また、フランスのポワティエ大学より京都大学が招聘したミクロシュ・ヴェトー教授を東京に招きセミナーを開催し、カントを中心とする近代哲学に関して検討する機会を得た。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] De la dissociation au moment de l'epreuve traumatique2005

    • 著者名/発表者名
      Yasuhiko murakami
    • 雑誌名

      Annales de Phenomenologie (Association pour la promotion de la phenomenologie) 4

      ページ: 49-70

  • [雑誌論文] Dans une culture sans Dieu - Levinas au Japon2005

    • 著者名/発表者名
      Yasuhiko Murakami, Mao Naka
    • 雑誌名

      Cahiers d'etudes levinassiennes (Institut d'etudes levinassiennes) 4

      ページ: 409-438

  • [雑誌論文] 外傷体験時の解離について2005

    • 著者名/発表者名
      村上靖彦
    • 雑誌名

      フッサール研究、(フッサール研究会) 3

      ページ: 189-198

  • [雑誌論文] 自閉症者のシェルターと安心感の起源としての間身体性2004

    • 著者名/発表者名
      村上靖彦
    • 雑誌名

      国際関係研究(日本大学国際関係学部) 第25巻第1号

      ページ: 77-98

  • [雑誌論文] 方法としてのレヴィナス情動性の現象学における自己の地平構造2004

    • 著者名/発表者名
      村上靖彦
    • 雑誌名

      現象学年報(日本現象学会) 20

      ページ: 29-39

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi