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2004 年度 実績報告書

20世紀前半期における〈文学青年〉の社会的形成過程とその表象

研究課題

研究課題/領域番号 15720031
研究機関京都教育大学

研究代表者

日比 嘉高  京都教育大学, 教育学部, 講師 (80334019)

キーワード文学青年 / 日系移民 / アメリカ移民 / 日本語新聞 / 移民文学 / 日本語文学 / 日米関係 / 明治青年
研究概要

本年度においては、明治40年代における日本の自然主義文学と北米の日本語文学との比較を、その青年層におけるあり方に力点をおいて分析した。また、そうした密接な関係の前提となった移民地における日本語環境のあり方を、サンフランシスコの日本人居留地を例にとって考察した。前者に関わるところでは、島崎藤村の「並木」を文学的前提として制作された北米の移民文学「並木」(岡蘆丘作)の作品を分析し、比喩表現が移民地の状況に合わせて変容していることを明らかにした。これについては筑波大学文化批評研究会ワークショップ(2005年3月17日)において「四千浬外の自然主義--北米日系移民文学と近代日本文学--」と題して発表を行った。また後者の課題においては、「日系アメリカ移民一世の新聞と文学」という雑誌論文を発表している(『日本文学』第53巻第11号(No.617),2004年11月,pp.23-34)。これは日系アメリカ移民の日本語新聞『新世界』(サンフラシシメコ)を検討し、移民地における新聞の機能と、移民文学との関係について考察したものである。移民地においては日本国内で刊行された出版物と移民地で刊行されたものの双方が流通しており、その複雑な構成によって文学を享受する体制が成立し、日本の文学青年がそのまま感性をスライドさせるかたちで一世の文学が現れた。北米における日本語文学およびその制作者たる文学青年たちの誕生と維持には、連載をはじめとする日本語新聞の機能が不可欠であったことが明らかになった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 日系アメリカ移民一世の新聞と文学2004

    • 著者名/発表者名
      日比嘉高
    • 雑誌名

      日本文学 第53巻・第11号

      ページ: 23-34

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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