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2004 年度 実績報告書

カミュによる近代史解釈の再検討--テロルの歴史

研究課題

研究課題/領域番号 15720050
研究機関東京大学

研究代表者

竹内 修一  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (40345244)

キーワードカミュ / 『反抗的人間』 / テロリズム / 殺人 / 革命
研究概要

本研究は、アルベール・カミュの著作『反抗的人間』(1951)に於ける、独自の歴史の見方を解明しようとするものである。フランス革命の「王殺し」から、ロシア・テロリズムを経て、第二次大戦後の東欧のコミュニストの裁判・処刑に至るまでのテロル=殺人の系譜を辿ることによって、カミュは近代史を描こうとするのだが、そうした歴史観を理解するためには、まずテロリズムに関する一般文献、およびカミュが『反抗的人間』を執筆するにあたって参照した資料の調査が不可欠である。本研究第二年目にあたる今年度は、前年度に引き続き、そうした資料収集を行った。
その一方で、カミュの歴史観の分析を、主として殺人の正当化に於ける「時間」概念に注目しながら、行った。たとえば、フランス革命期のジャコバン派にとっては、国王処刑、分派弾圧を行って達成されるはずの「正義」は、言わば非時間的なものである。それに対して、20世紀のコミュニストたちにとって、テロルの根拠となる「正義」は未来に達成されるはずのものである。わずか150年ばかりのあいだにテロルを正当化する「正義」の時間的位置づけがまったく変化していることをカミュは指摘するのである。そうしたカミュの歴史観を分析・解明するために、とりわけ以下の作業に従事した。
1)革命家サン=ジュストの演説集、サヴィンコフの著作、モスクワ裁判速記録等、カミュが参照した資料の検討。
2)カミュの歴史観と、レーヴィット、アーレント等の同時代の思想家の歴史観との比較。
なお、来年度中に「カミュと歴史」のタイトルのもと、研究成果をまとめたいと考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 未来と殺人2005

    • 著者名/発表者名
      竹内修一
    • 雑誌名

      仏語仏文学研究 31(印刷中)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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