研究課題
本年度も11月初めに10日間程、科学研究費を用いてフランスへの調査旅行を行なった。おもにフランス国立図書館において19世紀医学に関する文献調査を行い、『ブヴァールとペキュシエ』執筆準備のためにフローベールが読んだ医学文献の書誌情報を確認した。またフランス滞在を利用して、フランス国立科学研究センター(CNRS)、近代テクスト・草稿研究所(ITEM)のメンバー達とも打ち合わせを行い、フローベール「読書ノート」のデータベース化の作業の進行状況と今後の進め方を検討した。この研究プロジェクトの最終的な成果は、2006年6月にスリジー・ラ・サルで開かれる国際フローベール・シンポジウムにおいて発表する予定である。この2年間のまとまった研究成果としては、「フローベールと同時代の医学」という観点から『ブヴァールとペキュシェ』第3章の一節を分析した論文を、ルーアン大学フローベール・センター発行の雑誌『Revue Gustave Flaubert』に掲載し、そこにフローベールの読書ノート9ページの転写を付録として加えた。また、9月には日仏哲学会主催のシンポジウム「ミシェル・フーコーの現在」においてフローベールとフランス現代思想との関連について発表。なお、この発表の原稿は2005年8月末に刊行予定の『フランス哲学・思想研究』に掲載されることになっている。さらに、12月には東京大学先端科学技術研究センターで開催されたワークショップ「エミール・ゾラの自然主義と当時の科学文化」において、19世紀文学一般と医学の関わりに関する発表を行なった。
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早稲田文学 Vol.30-1
ページ: 50-59
週間読書人 2570号
ページ: 5
フランス哲学・思想研究 10号(発表予定)
Revue Flaubert (en ligne, Universite de Rouen) n°4
ページ: 1-25