(1)本科研費受給期間(2003年度〜本2005年度)における継続作業(1):入手した「満洲国」中国側文化・文学資料のデータベース化をさらに進めた。とくに本年度は研究協力者の作業も得て、「満洲国」にとどまらないより広範囲な日本植民地下の中国文化人が執筆参加した大衆雑誌の目次入力に着手した。 (2)本科研費受給期間(2003年度〜本2005年度)における継続作業(2):研究課題にいう、文学作品内の物語解読とそこに現れた中国語東北方言・日本語語彙の収集を進めた。 (3)本科研費を利用した研究出張で中華人民共和国、北京に赴き、8月7日、北京市社会科学院主催シンポジウム《抗日戦争期の北平における反ファシズムの文学と芸術》において「金音の詩集『塞外夢』について」を報告。「満洲国」の中国人詩人らの創作における言語問題を考察。また他の報告者への応答もおこなった。 この出張による中国滞在は同月29日まで続き、北京国家図書館と中国東北各地(長春市、大連市)の図書館における資料探査と、関連作家や研究者との学術交流、「満洲国」開拓団の跡地の見学などもおこなった。 (4)上記研究報告をもとに執筆した論文「従"故事"地表上流亡的母語-石軍等人的話語分析-」を近刊のシンポジウム論文集に提出。現在、校正中である。 (5)本研究代表者が出版を計画している「満洲国」下の中国人作家、爵青の小説翻訳の最終チェックを進めた。 (6)植民地文化研究会編『《満洲国》文化細目』(共著、不二出版)が刊行され、「満洲国」期の中国人作家の小説集などについて解説文を執筆。本科研費受給によって入手できた資料をも参照した。(下記参照) (7)2003年秋の千葉大学史学科主催シンポジウムの論集『戦争の時代と社会』(共著、青木書店)が刊行され、近代日本の植民地におけるメディア問題について執筆。本科研費受給によって入手できた資料も扱っている。(下記参照)
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