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2004 年度 実績報告書

中国近世の言説における「国家」と「民族」

研究課題

研究課題/領域番号 15720072
研究機関名古屋大学

研究代表者

笠井 直美  名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 助教授 (90251389)

キーワード「民族」意識 / 白話小説 / 戯曲 / 五代史 / 楊家将
研究概要

今年度は、本研究に関わる資料の収集・分析、海外調査及び電子コーパスの構築を進めた。
本研究の主要資料である五代・宋初に取材する講史小説・戯曲については、昨年度に引き続き資料の収集・分析の作業を進め、一応の分析を終えた。それらにおける「民族」「国家」に関わる言説は、明末(萬暦半ばー末頃?)に画期があり、物語内容のみならず語り口にも、<われら>と<かれら>を截然と切り離そうという傾向が強くなっていること、また、ストーリーの荒唐無稽さと、儒教的倫理から外れることへの寛容さの相関関係が、この「画期」の時期を挟んで変化していることが指摘できるように思われる。
今年度は、白話文藝における上述のような傾向の位置づけを検討するため、対照資料として明代後期における北邊問題に関する言説の収集を進め、分析を開始した。
また、土俗的な世界観を探る補助資料として、演劇と民間信仰の未分化な状況を今に伝えるとされるシンガポール〓田系華僑の中元節祭祀演劇の調査を行った。
電子コーパス構築は、昨年度に引き続き、1)外注と2)検索等に制限の多い既製のデータベースをアルバイトに依頼してテキストファイル化(これによりand/or検索のような単純な検索だけでなく、より高度な分析が施せる)、の二種の方法で進めた。本研究の主要資料である、五代・宋初に取材する講史小説・戯曲は、主として1)の方法で木版本・抄本の電子化を進め、これまでに予定の約三分の二が納品された。現在、校勘を進めている。また、対照資料として利用するための元・明代の高級官僚の文集は、2)の方法でテキストファイル化し、こちらについても校勘を進めている。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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