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2003 年度 実績報告書

イベリア半島の諸言語における強勢とその関連現象の類型論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15720082
研究機関東北大学

研究代表者

菊池 清一郎  東北大学, 大学院・文学研究科, 助手 (70344637)

キーワード最適性理論 / 形態音韻的不透明性 / 強勢 / スペイン語 / カタロニア語 / Sympathy理論 / 制約の適用領域
研究概要

本年度は、イベリア半島のロマンス語における強勢と音韻過程との相互作用に関して、カタロニア度語の語末子音削除、及びスペイン語指小語形成における音韻過程の不透明性について最適性理論に基づく研究を行い、次のような成果を得た。
1)カタロニア語には、n-削除およびr-削除という2つの語末子音削除過程が存在する。この2つの過程は適用環境がほぼ同じにも関わらず、従来の研究では2つの異なる音韻過程と考えられていた。本研究では、この2つの語末子音削除過程が強勢を持つ音節に対する有標性制約により統一的に説明されることを示した。また、2つの削除過程の複数形における適用形式の違いは、きこえ度に基づいて相対化された領域指定有標性制約と形態素境界を跨ぐ削除を禁止する忠実性制約とのランキングの違いとして説明されることを示した。
2)スペイン語には、二重母音/単母音交替と女性定冠詞の異形態という強勢の有無がその交替に関わる2つの(形態)音韻過程がある。本研究では、これら2つの過程が強勢のある音節における母音融合の禁止という観点から統一的に説明されることを示したうえで、これら2つの過程が指小語形成において引き起こす不透明性について考察し、この不透明性が、指小化接尾辞が語彙的に有するSelector constraintに関する指定によって引き起こされるSympathyの影響として説明されることを示した。(なお、この研究に関する論文は現在執筆中である。)
また、上記の理論的分析と平行して、ガリシア語における強勢関連現象の収集を行い、定冠詞の異形態や母音弱化、母音連声などに関するデータを得た。これらの理論的な分析及び他の言話における強勢関連現象との対照が今後の課題である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 菊池清一郎: "カタロニア語の語末子音削除について"東北大学大学院文学研究科 言語科学論集. 7. 11-22 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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