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2004 年度 実績報告書

中国東南方言文法の記述的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15720083
研究機関筑波大学

研究代表者

佐々木 勲人  筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 助教授 (40250998)

キーワード客家語 / ヴォイス / 文法化 / 受益者 / 処置対象 / 随伴者 / 脱語彙化 / 多機能化
研究概要

本年度の研究成果は大きく2つに分けられる。一つは,昨年度から継続して行っている客家語文法の記述的研究である。『東南方言比較文法研究-寧波語・福州語・厦門語の分析-』(好文出版,2002年)で取り上げた31の文法項目について,インフォーマントの協力を得ながら各項目の例文を客家語に置き換える調査を行った。今年度は、台湾北部の桃園で話されている客家語について、福建省の連城や広東省の梅県の客家語と比較・対照させながら、客家語に固有の文法現象について分析を行った。調査結果は現在整理中であり、来年度の早い時期に発表する予定である。
もう一つの成果は,受益文と処置文に関する中国東南方言の比較・対照研究である。同一の形態素が受益者と処置対象の両方を導く現象は、呉語,徽語,〓語,客家語など東南方言の各地で観察されており、この地域の処置文の重要な一類型となっている。本研究は、文法化の観点から改めてこの問題に関する分析を行った。
呉語の寧波語、福州語や厦門語の〓語、さらに今年度集中して調査を行った桃園の客家語などを詳細に分析した結果、このタイプの処置文には性質の異なる二種類の文法化が関与していることが明らかとなった。一つは随伴動詞から随伴前置詞を経て受益前置詞へと至る脱語彙化のプロセスであり、もう一つは受益前置詞が処置前置詞に拡張する多機能化のプロセスである。この成果は「受益から処置への文法化」という論文にまとめ、日本中国語学会報『中国語学』252号に投稿した。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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