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2003 年度 実績報告書

アバール語の不定詞従属節の研究

研究課題

研究課題/領域番号 15720084
研究機関東京大学

研究代表者

山田 久就  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (60345246)

キーワードアバール語 / ダゲスタン諸語 / コーカサス諸語 / 能格 / 不定詞 / 一致 / 相互代名詞
研究概要

電子化されたテキストと2003年12月27日〜2004年1月5日のロシア連邦ダゲスタン共和国マハチカラ市およびダゲスタン共和国シャミール州ホトダ村での現地調査から次のようなことを明らかにした。
1.不定詞節にある絶対格名詞と不定詞節を支配している動詞との一致
不定詞節を取る動詞全てに関して、不定詞節にある絶対格名詞が不定詞節を支配している動詞と一致するかどうかを網羅的に調査し、一致する条件をいくつか明らかにした。g'uk"ize(禁じる)等は不定詞節が他動詞である場合、絶対格名詞と一致することもしないこともあるが、不定詞が自動詞である場合、絶対格名詞と一致しない等。また、全体的に話者の出身地によってかなり揺れがあることなども明らかにした。
2.不定詞従属節と代名詞の分布の関わり
一般的な他動詞節を使役動詞g'a-AM-ize(〜させる)に他動詞節を埋め込んだ場合、他動詞節の主語が第一位格になり、目的語が絶対格になる。他動詞の主語(能格)と目的語(絶対格)を相互代名詞tsotsa-で結びつける場合、相互代名詞tsotsa-が主語(能格)の位置に現れ、その先行詞が目的語(絶対格)の位置に現れるが、相互代名詞tsotsa-が主語の位置にある他動詞節を使役動詞g'a-AM-ize(〜させる>に埋め込んだ場合、主語の相互代名詞tsotsa-は単文の場合と同様に能格で現れ、目的語は絶対格で現れる。この現象および他の動詞への相互代名詞tsotsa-が主語の位置にある他動詞節の埋め込みから、この他動詞節は自動詞節化していると理論化することができる。
また、研究の基礎として、ホトダ方言の電子化テキスト(約30,000語)を母語話者の協力を得て作成した。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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