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2003 年度 実績報告書

英語史における動詞第二位現象の消失に関する実証的・理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15720111
研究機関島根大学

研究代表者

縄田 裕幸  島根大学, 教育学部, 講師 (00325036)

キーワード英語史 / 動詞第二位現象 / 動詞屈折 / 極小モデル / 分散形態論
研究概要

英語史における動詞第二位(V2)現象の消失が動詞屈折接辞の衰退からどのような影響を受けていたのかを調査し,V-to-I移動に関して提案された「豊かな一致の仮説」をV2現象へと応用する可能性を探るため,中英語および初期近代英語のテキストを分析した。またそれに基づいて,生成文法理論の枠組みで動詞移動の仕組みに関する新たな説明を提供し,言語理論に貢献することを目指した。具体的には,以下の2つの作業を並行して進めた。
第一に,英語史におけるV2現象と動詞届折接辞との関係を調査するためのデータベース作りを進めた。V2が消失したとされる後期中英語および初期近代英語の散文作品を複数選び,そこで用いられている動詞屈折の一覧および動詞の位置に関する資料を作成した。この調査から,V2を示すテキストと示さないテキストの間には動詞の屈折に関して有意な差があり,とりわけ複数一致形態素-enが決定的な役割を果たしていることが明らかとなった。
第二に,統語論と形態論のインターフェイスに関する理論的研究を進めた。動詞屈折接辞という形態的要因がV2という統語的現象にいかに影響を及ぼしていたのかを明らかにするためのモデルを,生成文法の極小モデルとそこから派生した分散形態論に基づいて構築した。これらの理論における統語的移動と形態的派生の関わりを子細に検討し,動詞移動に関する媒介変数を文法のどの部門に位置づけるべきかを考察した。その結果,いわゆるV2移動には統語的に駆動されるものと音韻的に駆動されるものの2種類があり,「豊かな一致の仮説」の効果が現れるのは後者のみであるという結論に至った。
上記の研究成果を,2003年11月に開催された日本英語学会第21回大会において報告した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 縄田裕幸: "豊な一致の仮説再考:屈折接辞の音声化の視点から"日本英語学会第21回大会研究発表論文集. 21(未定). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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