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2004 年度 実績報告書

削除文における意味内容復元のメカニズムの研究

研究課題

研究課題/領域番号 15720112
研究機関山口大学

研究代表者

島 越郎  山口大学, 人文学部, 講師 (50302063)

キーワードPseudogapping / VP ellipsis / Strict / sloppy identity / Like-subject restriction / Focus / Generative Grammar
研究概要

前年度に引き続き、英語における動詞句削除構文(VP ellipsis)と擬似空所化構文(Pseudogapping)と呼ばれている省略構文の相違点について研究した。この二つの省略構文は全く別の構文ではなく、擬似空所化構文は動詞句削除構文の一種であるという分析が近年提案されている(Jayaseelan (1990)やLasnik (1999)など)。この分析は、異なる削除構文を統一的に分析する点において理論的に望ましい。しかしながら、この分析を仮定した場合、両者が示す次の二つの相違点を如何に説明するかという新たな問題が生じる。
1.動詞句削除構文では、先行詞の動詞句に代名詞が含まれている場合、削除された動詞句の解釈が厳密に先行詞と同一である必要がなく、代名詞の指示に関してだけ異なる「ゆるやかな同一性」(sloppy identity)の解釈を許す。一方、擬似空所化構文は、このような「ゆるやかな同一性」の解釈を許さず、先行詞を含む文と削除を受けた文の解釈は厳密に同一でなければいけない。(Johnson 2001)
2.動詞句削除構文では、削除を受ける文の主語が先行詞となる文の主語と同一である必要がない。一方、擬似空所化構文では、削除を受ける文の主語が先行詞となる文の主語と同一でなければいけないと判断する話者が存在する。(Lebin 1979)
この二つの問題に対して、次の二つを仮定することにより、動詞句削除構文と擬似空所化構文の相違点が原理的に説明できることを明らかにした。
1.動詞句削除構文においては主語に焦点が当てられるのに対し、擬似空所化構文においては助動詞に続く要素に焦点が当てられる。
2.省略文は、その先行詞となる文と対比の関係になければいけない。(Rooth 1992)

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] A Sloppy Identity Puzzle of Pseudogapping2005

    • 著者名/発表者名
      Etsuro Shima(島 越郎)
    • 雑誌名

      山口大学文学会志 55巻

      ページ: 129-140

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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