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2004 年度 実績報告書

コーパスに基づく語彙研究-新語彙の定着過程と既存の語彙体系に与える影響の解明-

研究課題

研究課題/領域番号 15720117
研究機関文化女子大学室蘭短期大学

研究代表者

加野 まきみ (木村 まきみ)  文化女子大学室蘭短期大学, 講師 (90352492)

キーワードBNC / ANC / コーパス / 同義語の競合 / tsunami / tidal wave / 語彙使用の英米差 / 語彙の歴史的変遷
研究概要

本年度は,昨年度構築したコーパスサーバの検索範囲をさらに拡張し,British National Corpus(以下BNC)からだけでなく,複数コーパスから必要なデータを一括して抽出できるように自動化を図った。これにより,一回の検索でBNC以外の英語コーパス(LOB, FLOB, Brown, Frown)からもデータを得ることが出来るようになり,大規模な検索作業を効率的に行うことができるようになった。
昨年度のパイロットスタディに基づいて,検索語彙を選択し,先述のコーパスサーバを利用して,語彙の競合関係について検索,用例収集,分析を行った。その結果,特定の同義語ペアについて,用法・使用範囲の違いが明らかになった。例えば,tsunamiは80パーセント近くという圧倒的多数が「自然科学」の分野で気象用語として使用されている一方で,tidal waveは様々な分野で実際の波以外のこと,例えばa tidal wave of supernatural horrors(「超自然的恐怖に襲われること」)のような様々な感情のうねりや,the rising tidal wave of crime(「急速に増加する犯罪」)のような大きな動きを形容して比喩的に,「余暇」や「芸術」の分野でも多用されていることを解明した。
さらに,現在進行中の取り組みとしては,以下の二つがある。一つは,昨年度収集したARCHERコーパスからのデータの分析を進め,Oxford English Dictionaryなどの歴史的原則に則った英語辞書による調査以外の方法で,語彙の歴史的変遷を知る機能を検索・分析ツールに組み込む方法を模索していること,もう一つは,American National CorpusとBNC, BrownとFLOBなど,同じ形式で作成された異なる年代の英米のコーパスをペアで調査し,語彙使用の英米差を解明できるように,検索・分析ツールの改善を行っていることである。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 言語接触のダイナミクス:借用語の英語化過程と既存語彙に与える影響-英語における日本語とドイツ語からの借用語を中心に-2005

    • 著者名/発表者名
      加野まきみ(木村まきみ)
    • 雑誌名

      文化女子大学室蘭短期大学研究紀要 28

      ページ: 54-70

  • [雑誌論文] Coexistin Patterns of Existing Vocabulary with Newer Loanwords in British English : A Study of Synonyms Focusing on Japanese and German Loanwords in BNC2005

    • 著者名/発表者名
      Makimi Kimura Kano
    • 雑誌名

      英語コーパス研究 12

      ページ: 1-17

  • [雑誌論文] 英語における借用語の意味変化-メタファーに見る借用語の語法・認知度・イメージ-2004

    • 著者名/発表者名
      木村 まきみ
    • 雑誌名

      メタファー研究の方法と射程(大阪大学大学院言語文化研究科)

      ページ: 39-46

  • [雑誌論文] Magnate and Tycoon : A Case of Rivalry between Existing Vocabulary and Newer Loanwords as Seen in OED2 and BNC2004

    • 著者名/発表者名
      Makimi Kimura
    • 雑誌名

      English Corpora under Japanese Eyes : JAECS Anthology Commemorating its 10th Anniversary (Language and Computers) 51

      ページ: 93-113

  • [図書] Dynamics of Language Contact -Assimilation Process of New Loanwords and Impact On the Existing Lexical System with special reference to Japanese and German Loanwords in English-2004

    • 著者名/発表者名
      Makimi Kimura Kano
    • 総ページ数
      253
    • 出版者
      大阪大学大学院言語文化研究科(博士論文)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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