本研究では、「読んで理解する」文書(一般的な文章、レポート、論文など)や「見て理解する」文書(プレゼンテーション資材など)の作成におけるビジュアル化技術要素の研究を行うことを目的とする。 平成15年度は、「読んで理解する」文書と「見て理解する」文書の特徴、共通点と相違点をまとめた。共通点は、説明を目的とする文書である。「見て理解する」文書の特徴は、内容を読んで理解する前に、重要な点について、見てイメージできることである。 そして、「見て理解する」文書の特徴を、今までの授業で学生の作ったプレゼン資判を学生と共に検討し、どのような点がわかりやすいのか、また、どのような点がわかりにくいのか、分析した。 初めてプレセン資料を作成する学生が作成しがちなプレゼン資科は、レポートの文章をそのままコピー、ペーストしたもので、1スライドにたくさんの文章を書き込むというものである。文字の色は単色で、文字のフォントの大きさも小さい。「見る」資料というより、「読む」資料である。また、テーマと内容かずれているもの、スライドことに背景デザインが異なり、統一感のないもの、文字と背景の配色がアンバランスなものなどもわかりにくい要素である。 一方、わかりやすいプレゼン資料は、テーマの目的がはっきりしている、内容構成のわかりやすさ、各スライドの文字の大きさ、配置、配色、イメージ画像、グラフや図のバランスがとれているという要素がある。つまり、「見せる」資料として意識的に作成したものである。 文書のビジュアル化力をつけるには、テーマと自分の意見を効果的に構成する構成能力、文章による文字情報をいかにビジュアル化するかというビジュアル化能力が必要とされる。
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