研究概要 |
本研究の平成15年度は、3カ年のプロジェクトの初年度として、データの収集・保存・分析に関してパイロットスタディーを行なった。日本人大学生英語学習者4名を被験者として、バッテリーテストとして簡易版のPaper-Based TOEFLを受験させた。被験者には1)アニメ課題と2)説明課題を課し、その様子をデジタルビデオ(DV)カメラ2台で録画した。1)では、アニメーションの物語(Canary Row, Warner Brothers)を提示した後、その内容を、英語と日本語で聞き手に説明をさせた。なお、刺激物語を分割して提示し(言語の使用順序を途中で逆転させて)言語発話を求め、使用言語の順序を被験者内・間でカウンターバランスした。2)では、「大学生活において楽しかったことと楽しくなかったこと」という題でそれぞれの項目について、英語と日本語で使用言語の順序をカウンターバランスして被験者に説明させた。これら二つの課題において、聞き手は被験者に対面し被験者に対して視線を送るが、あいづちやうたずきなどの積極的インタクションはしないように伝え、聞き手のすぐ背後にデジタルビデオカメラ2台のうち1台を置き、被験者の顔、視線・ジェスチャー画面一杯に録画した。残りの1台で、別角度から聞き手も含めて録画し、こちらをコンピユーターのHDに取り込んだ。実験の後、被験者にノンバーバル・スキル尺度への回答を求め、被験者自身の非言語コミュニケーション意識に関するデータを収集した。さらに英語音声データのみをネイティブスピーカーの教員に聞かせ被験者のスピーキング力を判定させ、paper testの得点を考慮して被験者を初級・中級・上級の三つにレベル別けした。現在、英語学習者の英語習熟度、非言語行動、非言語コミュニケーション意識等の関係についてデータの分析を実施中で、平成16年度以降、さらに被験者を増やしデータを精査して、発表の予定である。
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