平成16年度は、以下の2点を中心に研究をおこなった。1)平成15年度に開始したデータ収集・保存・分析作業を継続した。具体的には、バッテリーテストとして簡易版のPaper-based TOEFLを受験した、日本人大学生英語学習者(6名)による英語発話時のインタラクションを、デジタルビデオ録画しコンピュータのHDに取り込み、特に視線表情、ジェスチャー等に着目して分析するデータベース化の作業を継続した。2)さらに、米国マイアミ大学において、上記の手順でデータベース化したサンプル刺激(英語を話している日本人大学生のビデオクリップ刺激=今回は英語初級レベル者2名と英語上級レベル者2名のビデオクリップ)を、これまでアジア人と日常的接触が稀な米国東海岸出身の米国人大学生(6名)に提示し、そのクリップ上の日本人学生の英語力・ジェスチャー等について評価と判定を求めた。また、日本人を含めアジア人のコミュニケーションに対するその回答者が持つ印象等についても聞き取りをおこなった。米国ワシントン大学にて、上記サンプル刺激を、これまでアジア人と日常的接触が頻繁な米国西海岸出身の米国人大学生(6名)に提示し、そのクリップ上の日本人学生の英語力、ジェスチャー等について、評価と判定を求めた。さらに、日本人を含めアジア人のコミュニケーションに対するその回答者が持つ印象等についても聞き取りをおこなった。今後、1)のデータベース化作業を継続し、2)の評価と判定結果を分析し、さらに評価者の人数をさらに増やし、平成17年度以降の研究に繋げてゆく予定である。
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