1.研究経過 外国語としての教授頻度が上がりつつあるベトナム語において、電子計算機やWWWを活用した教材の開発を行なうこととした。具体的には、従来の「一定の授業時間内に」、「教室で」、「紙に向かって」学習するのではなく、「いつでも」、「どこでも」、「自分のペースに合わせて」学習できるシステムを考え、また、紙ベースの学習ではなかなかに掴み難かった「現地の感覚」をデジタル処理した画像や映像によって把握させる教材を目指すこととした。 2.研究実績 まず、ベトナム国内外で公表された電子計算機を使用するベトナム語教材、音声資料の付属した教材を収集し、その構成や内容について研究した。教室で担当教員が音読する役割をCD化したもの、音声の習得状況を簡単な練習問題により測定する機能がついた教材はあるが、内容の妥当性については議論の余地があるものが多かった。すなわち、その教材によりいかなる言語能力が習得できるのかが不鮮明なまま、技術の目新しさのみが先行している教材が多かった。また、基本文法事項や基本語彙を取り扱ったものは見当たらなかった。こうした基本事項には反復学習が不可欠で、時や場所を選ばず、また誰にも気兼ねなく繰り返し学ぶことができる電子計算機やWWW活用教材の特徴とマッチする。そこで、文法および語彙をより精密により具体的に研究し、根処ある基礎事項を選定する準備を行なった。また、ベトナム語の言語情報を電子計算機で取り扱うための基礎作業として、ベトナム語の入力の方法の研究を行なった。入力方法、言語処理の方法の変遷をタイプライター時代も含めて研究した。
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