研究概要 |
本年度は以下のような小学校英語における文字指導の役割を考えるための基礎資料収集を行った。 1.文献研究を行い,小学校英語における文字指導の有効性に関するこれまでの研究を整理しなおした。その結果,以下のような問題が混在していることがわかった。 (1)アルファベットを全く知らない小学生が音声を中心として英語を学ぶ際に,文字指導をどの時期(学年)から導入する(あるいは最初から音声とともに文字も導入する)のが言語習得に有効なのかという問題 (2)アルファベットがある程度読み書きできる小学生が音声を中心として英語を学ぶ際に,文字指導をどのような形で盛り込めば言語習得に有効であるかという問題 (3)文字指導そのものをどういう形で行うかという問題 (4)小学校英語と中学校英語のつなぎとしての文字指導の問題 (5)記憶の定着度と文字習得の関係についての問題 これらの問題は密接に絡み合っているものであるが,問題を整理して考える必要性を感じた。 2.国内で積極的に小学校英語を行っている自治体・小学校等(長野市,大垣市,つくば市)などを訪ね調査した。 3.日本に先駆けて小学校に英語教育を導入した,早期英語教育先進国である韓国の実情を調査した。今回は春川市にある大小2小学校を訪問し,授業参観(撮影),指導者へのインタビューなどを行った。 4.小学生を対象に文字導入と導入語彙に関するアンケート調査を行った。 5.絵のみ.絵と文字,文字のみがそれぞれかかれたフラッシュカードの中で,どの形態のフラッシュカードが語彙習得に有効かということについて調べた。 6.以上1〜5で収集した資料をまとめた。
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