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2003 年度 実績報告書

台湾国民小学の英語教育政策に伴う英語教員の意識変化と日本への適用性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15720138
研究機関和歌山信愛女子短期大学

研究代表者

相川 真佐夫  和歌山信愛女子短期大学, 生活文化学科, 講師 (60290467)

キーワード小学校英語 / 台湾 / 英語教育 / アジア / 外国語教育政策 / 教師信念 / 中学校英語 / 言語政策
研究概要

本研究の目的は、台湾において実用的な英語を全面的に重視した小学校での英語教育政策が、従来から英語教育を担っている中学校の英語教員に対し、どのような意識の変化をもたらし、指導方法に影響を与えているのかを明かにすることにある。さらに、台湾の事例を「英語が使える日本人」の育成を目指す日本の英語教育改革のための一資料として、その適用性を検討し、日本の教育政策への提言を行うことにある。なお、台湾の教育行政は従来から中央集権型であるが、現在は地方行政の自由化が促進されている故、研究の対象を台北市とその周辺に限定し調査を行っている。
平成15年度は主に量的データ、質的データの収集にあてた。量的データはアンケートにより収集し、中学校教員の英語教育に対する信念、小学校英語に対する態度、小学校で英語教育を受け中学校に入ってきた生徒の英語力や英語学習に対する態度についての評価などをデータ化することを試みた。台北市内とその周辺の中学教師を対象とし100余名からの回答を得た(これは、次年度に行うアンケートのパイロット的役割を果たすことになる)。データはSPSSによる統計処理を行った。
一方、質的データは、公立中学の英語教員約10名に対し面会や電話、電子メールによりデータを得た。質問項目は小学期に英語教育を受けて中学校に進学した生徒の英語力、英語学習に対する関心・意欲・態度、中学英語教員の指導方法の変化、職務の変化、中学教員の持つ小学校英語に対する期待と失望、教育行政に対する意見などである。さらに現地調査で可能なものについては授業観察を通して教授法や教室内でのインタラクションを観察し、生徒に対するインタビューも行った。
これら量的および質的データから、小学校英語教育が導入されてから中学校では次のような変化が起こっていると考えられる。(1)生徒のリスニング力、スピーキング力、発音力は全体的に向上していると多くの中学校教師が評価している。(2)フォニックスの導入により、綴り字から発音できる生徒が増えたと評価している。(3)クラス内は生徒の学力が二極分化し、極端な学力差が指導を困難にさせている。また、学力差は英会話スクールへの参加が一因と考えられている。(4)能力の非常に高い生徒と非常に低い生徒の学習意欲が懸念されている。(5)指導法は概ねオーラル活動中心へのシフトが現れている。(6)英語教育と小中一貫課程の導入以降、現職教員研修の機会が頻繁化している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 相川 真佐夫: "台湾人英語教員の発音技能に対する態度-アジアにおける「国際語としての英語」を考える-"第43回大学英語教育学会全国大会要綱. (未定). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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