研究概要 |
平成16年度の研究では、北海道大学附属図書館において日本政府の移民政策に関する史料(『大日本維新史料稿本』、『極東地域における帝国主義的大国の政策』など)、国立ロシア歴史公文書館において20世紀初頭の中国政府の移民政策に関する史料(ファイル番号323-1-832〜834)を調べ、国立ロシア図書館において日本人・中国人移民に関する資料(『植民地化諸問題』、『軍事論集』など)を調査し、必要なものをコピーした。さらに、スペイン国立歴史公文書館において19世紀後半の中国政府の移民政策に関する史料(ファイル番号ULTRAMAR85〜87,175,5170など)を調査し、ULTRAMAR86/3,85/1のファイルをコピーした。 収集した史料の分析に踏まえて、19世紀後半〜20世紀初頭の日本と中国政府の移民政策の比較を行い、とくに1、海外出稼ぎ開始の原因を明らかにし、2、日本と中国が移民送出国として「移出民」をいかに管理したかを分析し、3、日本人と中国人の海外渡航者に関わる歴史事件の経緯を解明し、4、日本と中国政府がどのように海外渡航者関係問題を取り扱ったかを検討した。平成16年度の研究成果は、平成17年2月に刊行された著書『移民と国家-極東ロシアにおける中国人、朝鮮人、日本人移民-』(御茶の水書房)の第一章「移民と移民送出国-東アジアからの移民と極東ロシア-」(25〜72頁)に発表した。
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