本年度は史料収集を継続しつつ、研究成果の公表に努めた。特に、本年度は課題そのものに関する成果のみならず、下記キーワードにある「朝鮮通」「アジア主義」に関する史学史的なアプローチに基づく研究も進捗し、今後も継続して取り組む研究課題への足掛かりを得ることになった。 まず、学会等での研究発表としては、以下の通りである。 (1)「日本統治期の朝鮮における<史学>と<史料>の創出」(九州大学21世紀COEプログラム(人文科学)「東アジアと日本:交流と変容」;第3ユニット・比較史料論部会シンポ)平成16年7月31日、於:九州大学文学部 (2)「日本統治期の朝鮮における『国史』教育政策の展開と総督府学務局編輯課官僚」(平成16年度九州史学会・朝鮮学部会)平成16年12月12日、於:九州大学 また、国内および国外(大韓民国ソウル特別市)において複数回に亘る史料調査を実施した。今年度は国内においては旧外地発行の雑誌資料の所蔵先確認と記事資料の収集が軌道に乗り、また韓国においても国立中央図書館・高麗大学校亜細亜問題研究所図書室・延世大学校中央図書館を中心として調査を実施し、特にマイクロ・フィルム化された新聞史料の中でも『漢城新報』をはじめとする日本国内では見ることが極めて困難な邦字新聞から関係記事を検索し、プリントアウトするなどしてその入手に努めた。
|