研究課題
2年度目となる本年度は、昨年度の研究の継続として、主に本研究費補助金の助成を受けたかたちで、インド、環インド洋地域(モーリシャス)、ヨーロッパ(イギリス、スウェーデン)の諸地域を訪問し、インドの内外に在住してきたインド系商人や資本家の経済活動を裏付ける史料の探求を行い、かつ、その成果の一部を、日本や海外で報告する機会をもった。とくに、本年度に進めた作業としては、以下の3つがある。1.日本におけるインド系商人の滞在と経済活動に関する史料の総合的収集とその整理。さらに、その成果の部分的発表。たとえば、1890年代から1940年代までに日本に滞在したインド商人の通時的な把握を数的に試み、さらに、その間における各インド系商社内での家族成員の在外赴任の特徴を描いた2004年12月における京都大学での発表。2.インド系商人・企業家が関わった商品知識・技術知識の歴史的展開に関する史料の探求(とくに英国図書館インド省関係書類とスウェーデン国立公文書館での未公刊の企業文書等に関する作業)。3.商品が政治運動によって「国民製品」もしくは「民族製品」として理念的に体現化され、政治運動そのもの一部として流通する過程を、日本及びインドにおける特定の雑貨類、たとえば、燐寸(マッチ)の事例を通じて、明らかにした。とくに、2005年3月における在インド国ジャワハルラール・ネルー大学での口頭報告。
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世界史史料第10巻:2つの世界大戦と社会変動 10巻(印刷中)
Democracy and Development in Comparative Perspective : An Indo-Japanese Dialogue (科研費による共同研究「経済発展と民主主義」)
ページ: 40
International Journal of Asian Studies Cambridge University Press 1巻1号
ページ: 49-85
科研費補助金にもとづく研究プロジェクト「帝国とネットワーク」(京都大学人文科学研究所)による国際ワークショップでの報告
ページ: 11