研究課題
3年度目となる本年度は、本研究のまとめ的な作業を目標としつつ、以下のような研究の執行と研究成果の発表を、国内外で行った。1.インドおよびスリランカに出張し、在ムンバイのマハラーシュトラ州政府文書館などの文書館や、旧植民地期からの代表的な外資(スウェーデン)系マッチ製造会社であるWIMCOの企業資料部を訪問し、所蔵資料のなかから、本研究に関わる史料群の調査と参照を行った。また、昨年度に引き続き、英国に所在する英領インド工業業所有権関係の歴史文書を取り寄せ、分析した。2.日本におけるインド商人関係の研究の促進に関わった。特に、日本学術振興会委託研究「帝国とネットワーク」(代表本部:京都大学人文科学研究所籠谷直人助教授)が主催する国際ワークショップの実務的な運営を依頼され、招聘研究者の選定や議題の立ち上げ、ワークショップ本体の議事進行などを執り行った。3.海外(具体的にはインド)で開催された国際ワークショップに参加し、本研究の成果の一部を報告した。とくに、昨今のインドの経済成長に伴う社会・経済階層の変化を長期的な歴史的視点で見直す意図を有した「近現代南アジアにおける消費」と題するワークショップでは、マッチに焦点を当てた報告を行った。4.近代の工業所有権の歴史なかでも、とくに、商標と商権との相互関係、そして、そこに関わりを見せたナショナリズムや国家、国籍という政治事象を重視し、上述以外の機会でも「文化表象と政治」に関する東京での国際会議や華僑華人学会年次大会などで研究報告を行った。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (4件)
A paper for an international workshop "Elites in Asian History : Social Network and Cultural Representation", Feb.18-19, 2006, Institute of Oriental Culture, The University of Tokyo.
ページ: 23
Democracy and Development in South Asia : East Asian Comparative Perspectives(Nobuko Nagasaki (ed))(Ryukoku University, Kyoto.)
ページ: 133-156
A paper for an international workshop "Networks and Empires : Indian Migrants/Merchants in East Asia and Beyond" for the project "Empires and Networks" Kyoto University, Oct.7-8, 2005
ページ: 33
A paper for an international workshop "Toward a History of Consumption in South Asia : 1850-19b0 " at Gokhale Institute of Politics and Economics, Pune, India, 15-16 Dec.2005
ページ: 31