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2004 年度 実績報告書

地域社会の法的秩序形成における住民団体活動の機能に関する法社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15730001
研究機関北海道大学

研究代表者

尾崎 一郎  北海道大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (00233510)

キーワードコミュニティ / 法使用 / マンション / 司法制度改革 / 法道具主義 / 紛争行動 / ネットワーク / 法化
研究概要

今年度は、まず司法制度改革による日本社会の法化の動向を見定めるべく、司法制度改革推進本部の行政訴訟検討会の部員に対するヒアリングによる調査検討を行った。その結果、日本社会の実質的な法化ではなく、法の道具化による表面的な法使用行動が蔓延しつつあるとの知見を得た。
この知見については、2月にカリフォルニア大学バークレー校で開催されたショウ・サトウ・シンポジウムで報告した。
さらに、このような知見を、これまで観察してきた地域社会における住民(団体)による法使用(ないし不使用)行動において改めて実証するべく、民事紛争行動調査の設計と実施(予備調査および本調査)を行い、またマンション内紛争に関するある判決について詳細な検討を行った。
紛争行動調査については、予備調査をまず行ったが、その結果、地域コミュニティ内紛争のような場合、地域の住民間ネットワーク以上に個人レベルのコスト計算や価値判断が大きく行動を左右していることがほぼ明らかになった。本調査では、さらに詳細に行動の規定要因をさぐるべく、現在調査を継続している。
マンション内紛争については2003年末に出た東京高裁判決を素材に、私権に対する団体的制約をめぐる管理組合と区分所有者の対立において、法律と規約・細則の文言が、牽強付会といえるほど強引に援用され、その結果当事者だけでなく、裁判所も、法規の内実についての実質的で微細な検討をしないまま、合目的的で大ざっぱな推論に終始していることが明らかになった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] マルチチュードの(不)可能性2005

    • 著者名/発表者名
      尾崎一郎
    • 雑誌名

      非対称化する世界-『<帝国>』への射程-(西谷修ほか)(以文社)

      ページ: 171-198

  • [雑誌論文] 司法制度改革の道具主義的展開2005

    • 著者名/発表者名
      尾崎一郎
    • 雑誌名

      公的領域の多元化と行政に関する調査研究報告書(平成16年度)(総務省大臣官房企画課) (発表予定)

  • [雑誌論文] 判例評論:複合型マンションにおける店舗部分の営業時間の制限は、集会の決議によって定めることができるとされた事例(東高判平15・12・4)2005

    • 著者名/発表者名
      尾崎一郎
    • 雑誌名

      判例時報 1885号(発表予定)

  • [雑誌論文] 司法制度改革の位置づけ-改革審議会審議を中心に-2004

    • 著者名/発表者名
      尾崎一郎
    • 雑誌名

      公的領域の多元化と行政に関する調査研究報告書(平成13年度)(総務省大臣官房企画課)

      ページ: 143-157

  • [雑誌論文] 裁判所の自己改革2004

    • 著者名/発表者名
      尾崎一郎
    • 雑誌名

      公的領域の多元化と行政に関する調査研究報告書(平成14年度)(総務省大臣官房企画課)

      ページ: 99-115

  • [雑誌論文] 法化社会の一側面2004

    • 著者名/発表者名
      尾崎一郎
    • 雑誌名

      公的領域の多元化と行政に関する調査研究報告書(平成15年度)(総務省大臣官房企画課)

      ページ: 89-97

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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