• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2005 年度 実績報告書

複雑訴訟における正義

研究課題

研究課題/領域番号 15730007
研究機関立命館大学

研究代表者

渡辺 千原  立命館大学, 法学部, 助教授 (50309085)

キーワード水俣病訴訟 / 医療過誤訴訟 / 死因解明義務 / 現代型訴訟
研究概要

1.大規模不法行為訴訟の一例として、日本の水俣病訴訟、特に2004年に最高裁判決の出た関西水俣病訴訟についての弁護士や支援者に対する聞き取り調査を行った。水俣病訴訟は、熊本訴訟と、熊本の出身者による各地の訴訟と、新潟水俣病訴訟があり、政治決着でこれらが一段落した後も関西訴訟が残った経緯があり、そうした30年にわたる水俣病訴訟をひとつのくくりとして、アメリカでの「アスベスト訴訟」などの大規模訴訟との対比でその展開を検討し、「現代型訴訟」という枠組での分析では十分に検討してこられなかった、訴訟間の影響や訴訟による運動や政策形成の可能性と限界の再検討を行うことを主眼とした。その第一段階の研究成果として、「民事訴訟の機能変容」(和田仁孝編『法社会学』(法律文化社NJ叢書2006年出版予定。渡辺執筆分は提出済み)を執筆したが、さらに主として関西訴訟と京都訴訟を対象とする比較研究を進めている。
2.医療過誤訴訟の検討としては、最近の事例のなかから死因解明義務を認める判決例を素材に、医療過誤訴訟における事実解明の意義を、リスクマネジメントと紛争解決のあり方の両面から明らかにする作業を行っている。これは昨年から検討している、最近の医療事故の届出制度や厚労省が開始した医療関連死の解剖のモデル事業の調査の延長線上にあり、今年度は、そうした死因解明の努力が、医事紛争の解決や具体的な紛争当事者の医師との信頼関係の形成にどのように貢献しうるか、という側面からの検討を行っており、近いうちに、「医事紛争における事実解明と救済」という論文にまとめて立命館法学に公表する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 法社会学(NJ叢書)

    • 著者名/発表者名
      和田仁孝 ほか編
    • 出版者
      法律文化社(近刊)

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi