2003年度の連邦最高裁判決、Grutter事件の理由付けに関するローレビューの記事を中心に収集し、論争の中心となっている、Bakke事件の際とくらべて変化したとされる、多様性(diversity)に基づくアファーマティブ・アクションの理由付けの新しい意義を追求した。関連して、Bakke事件前後の情報の収集を継続したが、その面での成果はあまりあがらなかった。 Grutter事件および同時に出されたGratz事件の2判例を受けて行われた米国高等機関の入試改革について、情報を収集したが、紙幅の関係での割愛などのため、本年度の研究成果には含められなかった。次年度以降の研究成果に編入したい。 上記の調査に関連し、連邦最高裁判決で被告となったMichigan大学のほか、Columbia大学、Texas大学に出向いて、入試担当者から判決前後の事情、判例のインパクト、入試改革情報などの資料や情報を入手した。同時に、当該機関の研究者と、社会情勢、背景事情、判例の法理等について議論し、研究発表に反映させた。
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