本研究の概要的な報告を、日本民事訴訟法学会第73回大会(2003年5月31日、於・中央大学)個別報告「民事訴訟における『時間』的価値」において行ない、その内容のうち一部をまとめ、「国境を跨る民事訴訟法における『時間』的価値」として、学会誌である民事訴訟雑誌に掲載予定(50号)である。 本研究の初年度である本年度は、先年まで在外研究で対独中に研究していた成果をも基礎とし、国内・国際の両側面のうち、とくに国際的な平面での「民事訴訟法における『時間』的価値」の維持を、超国家的な域内司法制度を有するEUの民事裁判システムの50年の経験・工夫と、共同体特許(Gemeinschaftspatent)をめぐる紛争を処理する共同体特許裁判所に関する最近の構想とを検討し、そこから示唆を得ることを目的とした。その成果は、早稲田法学79巻3号掲載予定の「国境を越えた民事訴訟システムと『時間』的価値〜EU裁判制度の経験と模索から〜」と題する論文において発表される。(本報告書提出時点の2004年2月末において、上記2論稿について掲載は決定しており、民訴雑誌は責了、早稲田法学は校正中である)
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