研究概要 |
平成15年度は、本研究の対象である国際環境NGO「フレンド・オブ・アース(地球の友)・インターナショナル」(Friend of Earth International,以下FoEIと記述)について、まずインターネットを中心に一次資料の収集を行なった。ここではおもに、70年代以降のFoEIの発展と国際ネットワーク化のプロセスを調査するとともに、世界各国の支部および提携NGOとの共同作業に関する情報を収集した。 8月には欧州に渡り、まずFoEIアムステルダム本部事務局のAnn Doherty氏を訪ね、トランスナショナルな活動の詳細やこれまでの成果、今後の課題等について伺うとともに、活動記録・議事録、その他文献を収集した。次に、事例研究としてFoEIメンバーでドイツ最大の環境NGOであるBUND(ドイツ環境自然保護連盟)を訪問した。ベルリンでは連邦本部のDaniel Mittler氏、ハンブルクでは州支部のMarc Engelhardt氏に対してインタヴューを行ない、さらにリューベック地区支部を訪問して、連邦・州・市町村の各レベルでの活動を調査した。ここでは、特に、BUNDの組織構造や意思決定等の手続き、各レベル相互間や他の国際NGOとの連携、および市民参加の実態について資料を収集した。最後に、オーストリアのFoEIメンバーで反原発運動を出発点とする「グローバル2000」(ウィーン)を訪問し、活動家のAndreas Bauer氏とIris Strutzmamann氏にインタヴューを行なうとともに、同NGOに関する数多くの一次資料を収集した。 帰国後は、収集した文献資料やインタヴュー資料を整理し、FoEIのコミュニケーション戦略やグローバルな連携活動、国際政治機関との関係について、社会運動研究をベースに理論的考察を行なっている。
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