研究概要 |
3年計画の初年度にあたる平成15年度には、第2次幣原外交期におけるロンドン海軍軍縮会議に焦点を合わせ、当該期の日米関係を再検討した。 さらには、第一次大戦後における駐米大使期の幣原についても、アメリカ側史料などの分析を通じて、ワシントン会議の実像に迫った。 アメリカのオーラル・ヒストリーに関しては、とりわけコロンビア大学所蔵のもの(Dewitt.C.Poole, William Philips)を分析してある。 また、従来、占領期の幣原内閣としては、憲法制定やいわゆる5大改革指令が知られている。しかし、幣原の業績はそれだけに留まるものではなく、戦後外務省の再生や日中関係、さらには進歩党総裁としての役割など、未開拓の領域に着手した。 とりわけ本年度の研究では、幣原没後における諸家や新聞の論調を調査した。その他、大阪府の門真市立歴史資料館の史料などを見直してある。 日中関係に関しては、中国や台湾で刊行の進む史料などを購入し、読解を進めている。 その他、方法論的な考察としては、東アジア国際政治史研究の可能性について、学会誌の特集で論じてある。
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