研究課題
当該研究では、同盟国は如何なる政策を以って自らの同盟を維持しようとするのか、あるいは同盟に対して敵対国は如何なる政策によって分裂を画策するのかに関する理論を構築し、その理論を以て東アジアにおける同盟外交の事例を説明しようとした。過去二年間にわたって科学研究費の助成を頂いた結果、個別の幾つかの論文を作成し、国内外で発表していくという当初目的はほぼ達成できた。2003年度には、8月のアメリカ政治学会(於フィラデルフィア)において、韓国の北方政策、中ソ同盟の形成と崩壊を論じた二つの論文を発表した(前者は加筆修正後、現在海外の学術誌と出版に関する交渉中)。また、同年10月の日本国際政治学会では、この研究の理論部分をまとめたものを発表できた。さらに、2004年3月には国際研究学会(於モントリオール)において、同理論を応用してアメリカの対韓国・北朝鮮外交を説明した論文を発表した(同論文は、日本語に訳し、修正した後出版された)。さらに2004年度に入ってからは、主に前年度の海外調査によって得られた資料を基に、日ソ国交正常化交渉に関する同盟外交を分析した論文を作成、現在投稿中である。この他にも、今年の国際研究学会において発表した日米同盟と日本の平和主義の関係に関する論文を発表するなどした。これら幾つかの論文を作成するに際し大いに参考になったのが、2004年1月にアリゾナ州立大学で行われたCQRM(質的研究手法)セミナーへの参加である。同セミナーでは、理論と事例研究を以下に組み合わせるかについての最新の研究に触れることができ、上記論文を仕上げる上で貴重な示唆を得ることができた。またこれとは別に、数度にわたってアメリカでの資料調査ができたことは、事例研究の質を高めることを可能にした。今後は、これまで学会で発表してきた論文の学術誌への投稿をさらに進めつつ、個々の論文を一つの大きな学術研究に集約することに力を入れていく予定である。
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政治学叢書シリーズ『現代国際政治理論の新展開』 第1巻(未定)(仮題)
International Studies Association 2005 Annual Meeting Papers (http://www.isanet.org/archive.html/)
叢書現代東アジアと日本『アメリカと東アジア』 第6巻
ページ: 265-286
Korean Peninsula and Four Powers in the Post-Cold War Era
ページ: 273-284
International Studies Association 2004 Annual Meeting Papers (http://www.isanet.org/archive.html/)
日本国際政治学会2004年度年次大会
国際政治 134号
ページ: 26-41
American Political Science Association 2003 Annual Meeting Paper (http://archive.allacademic.com/publication/)
日本国際政治学会2003年度年次大会