本研究は、スリランカにおける結婚、出生や移動といった個人の意思決定の結果生じる家族形成の変化を、実証分析を通じて明らかにすることを目的としている。本年度の主な作業は、研究に使用する主な資料であるDemographic and Health Survey 2000 (DHS)とCensus of Population and Housing2001 (人口センサス)のデータの取得とその精査、および分析モデルの構築である。 具体的な研究活動成果は以下の通りである 1.2度のスリランカに渡航し、両資料の内容に関して、Department of Census and Statisticsの各担当者と意見交換を行った。 2.DHSのデータに関しては同局Research and Special Studies Divisionから取得し、内容に関する確認作業を同Division担当者と行った。 3.その後、同データの精査を再度行い、データの加工作業、同データから得られる変数に基づいた分析モデルの構築を行った。 4.人口センサスは現在同局において集計作業を継続しており、データの取得が困難な状況であることを確認した。しかし、現地において調査協力者を得たことにより、来年度コロンボ市において1994年から2004年までの家族構造の変化に関する家計調査を計画した。 5.本年度までに調査地域、サンプル数を確定し、調査票を作成するなど、実査に向けてのデザインを完了した。また、2度目の渡航時において協力者とともにプリテストを実施し、本格的な調査実施時期についても確認を行っている。 本研究の必要な準備作業を本年度において完了し、来年度には出生に関する本格的な分析作業を開始できる状態にある。また家族形成に関する研究においても独自家計調査の集計作業に入れる見込みである。
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