平成17年度においては、統計資料収集作業の未完の部分について、直接投資に関する資料収集を、世界銀行が発行するGlobal Development Finance CDROM及び東南アジアと他の開発途上地域政府における被投資国政府が公表する資料などから入手・加工し、経済・社会指標を、世界銀行のWorld Development Indicatorsから入手した。また、International Country Risk Guide (ICRG)の個表データを入手、モデル適合的に加工し、投資環境に関する政策要因の個別指標を作成した。さらに、これら全ての統計資料を用いて、開発途上国30カ国について1980〜2003年の期間にわたる実証分析を行い、以下の結論を得た。 1.開発途上国が新たな直接投資を誘致する上で、自国の投資環境が非常に重要である。 2.近年、政治リスク要因の重要性が高まっている。 3.投資に関する法・制度の整備や政治システムの安定、及び効果的な経済政策の実施といった要因が特に影響を及ぼす。 4.中国との直接投資誘致競争の中で、東南アジア諸国はこれらの制度改革を推進することによって、多大な追加的投資を得られると推計される。 以上、過去3年間の研究成果について論文をまとめ、3月に学会発表を行なった。当該論文はMIT Pressより出版予定である。
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