研究概要 |
平成15年度はヘドニックアプローチによる賃料インデックス指標を作成する上で必要なヒヤリング調査,不動産取引データの収集を中心に研究を行った.特に,商業・業務系用途におけるオフィスビルを対象に不動産賃貸取引に関する情報および取引対象の周辺環境等価格形成状重要な要因についての情報を収集している. (1)不動産業者等へのヒヤリング調査 大手不動産業者に対するヒヤリング調査を行い,不動産賃貸市場を中心的なプレーヤーである仲介業者,デベロッパーの行動や,消費者である一般法人企業のオフィス需要に関して,1990年代の供袷・需要の規模,選好の変化についての情報を収集している. (2)取引データの収集 1994〜96年,2000〜02年の東京都中心部(千代田区,中央区,港区,新宿区,渋谷区)における商業・業務系オフィスに関する取引情報を収集した.他の年次および住宅地のデータについては引き続き次年度以降もデータ収集を行う予定にしている. (3)地点属性データの作成収集 収集した取引サンプルを対象に地点属性情報に関するデータ作成・収集を行っている.特に商業・業務系用途においては交通利便性が賃料に与える影響は極めて大きいため,各取引地点の交通利便性を表すアクセシビリティ指標を作成している.そのために,首都圏を約1,000の地区に分割した上で,鉄道・道路のネットワークデータを作成し,地区間の最短経路探索を行っている.このネットワークデータによってアクセシビリティ指標を算出している.さらに,収集した取引情報に記載されている物件情報以外に対象不動産の構造物の質,サンプル地点周辺の立地条件など周辺環境に関する情報を収集するために現地調査を実施し,(2)で収集した取引データとともにデータベース化している.
|