まず第1に、技術後進国がどのような手段で先進国の技術を導入するかについて、理論的・実証的に考察した論文"Technology Adoption in Follower Countries : With or Without Local R&D Activities?"を国際学術雑誌に投稿し、次ページに示すようにTopics in Mancroeconomicsに掲載された。また、2004年6月にシンガポールで行われたApplied Econometrics Associationの大会にてこの論文について発表した。 第2に、日本における研究開発活動の空洞化の実態を分析するために、経済産業省の企業レベルデータを用いて、必要なデータベースを構築した。これを使って、日系企業の海外での研究開発活動の決定要因、および親会社・海外子会社の生産性成長に与える影響について回帰分析を行った。その結果、海外における革新的な研究開発活動は、日本の親会社の生産性成長を促進させるが、親会社での研究開発活動との補完性はないということが示された。また、海外での適応的な研究開発活動は、親会社の生産性成長に何ら影響しないこともわかった。これらの結果は、"Determinants and Impacts of Overseas R&D : Evidence from Japanese Multinational Enterprises"としてまとめられ、慶応大学、内閣府総合社会経済研究所、一橋大学などで発表を行った。現在、発表の際に得られたコメントをもとに改訂中で、国際学術雑誌に近日中に投稿予定である。
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