研究課題
今年度の研究は、昨年度の成果を完成させ、公表する作業が中心となった。第1に、資本構成の推定に関する研究については、英文版を完成し、一橋大学経済研究所のディスカッション・ペーパーとして公表するとともに、国際ジャーナルに投稿している。投稿論文については、掲載可との審査結果を得ており、目下要求に従って、修正中である。第2に、上場行動、上場要因に関する研究については、日本経済学会、アジア政経学会、East Asian Economic Associationの各年次大会において報告した。また、神戸大学、チュラロンコン大学、タイ開発研究所のセミナーにおいても報告を行い、多くのコメントを得て、現在、投稿論文として完成させるべく改訂中である。第3に、歴史的文脈・形成史に関する研究としては、タイ金融の長期統計による分析、および東南アジア間比較に関する論文が、日本語出版として刊行に至り、前者については、英文ジャーナル(Journal of Comparative Economics)の特集の1章とするべく英文版の完成に取り組んでいる。調査活動については以下の通りである。第1に、2004年6月末に1週間ほど現地調査を行い、企業の会計規則および上場基準についての聴き取り、資料収集に努めた。第2に、3月に2週間ほど、再び現地調査を行い、各種資料の収集に加えて、タイの複数研究機関(上記)において、研究成果の報告を行った。2度の調査によって、チュラロンコン大学、タマサート大学、タイ開発研究所等の主要研究機関のスタッフとの研究協力体制がより充実した。また、新規研究として、チュラロンコン大学のPairoj教授との間で、金融危機時における債務超過と破産手続きについての制度分析を進めるべく調整を進めており、これは来年度、比較的短期のうちに実施・完成される予定である。
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CEI Working Paper Series 2004-14, Center for Economic Institutions, Hitotsubashi University 2004-14
国際協力論集 神戸大学大学院国際協力研究科 第12巻第1号
ページ: 57-84