研究概要 |
(日本調査) 建設土木業の日本型ビジネスシステムについては、北海道網走支庁、大阪府庁および兵庫県庁等に出張し、建設談合/官製談合について実態調査を行った。その成果の一部は、公共事業改革に関する「入札監視委員会意見具申」にまとめ、談合防止策として北海道新聞・テレビ等でも報道された。 (欧州調査) 欧米の建設土木業ビジネスシステムについては、フランス型とアメリカ型を区別し、海外出張によりネットワーク型と市場型の中間団体制度の比較を試みた。フランス型については、フランス国土交通省(パリ)に取材した。さらにフランス型のアジア的折衷形として、旧フランス植民地のカンボジア国立文書館(プノンペン)、チュニジア国立文書館(チュニス)で、研究蓄積の薄い植民地時代資料を収集し、プノンペン商工会議所事務局長、カンボジア工科大学総長やチュニス商工会議所に取材を実現した。 (アメリカ調査) アメリカの建設土木業については、アメリカ公共事業協会(カンザスシティ)事務総長に取材を実現した。加えて公共事業史学会(カンザスシティ)幹事と研究打ち合わせを行い、ミズーリ大学文書館で未公開内部文書の資料収集を行った。 (文献分析) 米日欧の建設土木業・業界団体・労働組合に関し、文献収集を行い、ノートパソコンによりデーターベースを作成した。その成果の一部は、特別研究「経済史」(北海道大学)において「西洋経済史研究の新潮流」として口頭発表を行った。また、日本経営史学会『外国経営史の基礎知識』(有斐閣)の執筆にも一部役立った。 (研究発表) 研究の一部は、政治経済・経済史学会北海道部会でも口頭発表を行い、「フランス労使関係における多元構造の起源-スト破り組合の誕生と衰退,1897-1929年-」『経済学研究』第53巻第2号にも結実した。
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