研究概要 |
経営学の成立以来提唱されてきた「経済人モデル」「社会人モデル」「経営人モデル」「自己実現人モデル」などの人間モデルは,組織における個人のあり方を示しつつ,それぞれの時代における経営学理論を基礎付けてきた。しかしながら,いずれの人間モデルも「組織内の個人」を捉えようとする枠組みの中にとどまっており,組織を離れた個人のありようを捉えるには残念ながら十分とはいえない。 今日,個人の価値観の多様化が進む中で,個人は自立化に進んでいる。そのような状況においては,組織の中にいない個人についても視野に置くことが,今日的な人間モデルの構築に有効と考えられる。 本研究においては,大学生を対象としたアンケートを実施し,現代における「人間モデル」について調査を試みた。それを通じて,現代社会における個人の自立化の状況を把握し,「人間モデル」の変化の概観を図った。 アンケートの結果,組織よりも個人を重視する個人が少なくないこと,個人のライフスタイルを仕事以上に重視する個人が多いことが明らかとなった。これは従来よりも個人を重視していること,そして個人の自立化が進んでいることを示唆していると考えられる。 今後は,アンケート対象を広げ,勤務経験,職務の内容,雇用の状況(正社員・非正社員など),組織内の階層などにより,自立化の状況がどのようになっているのかについて,さらに調査を進める必要がある。
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