まず、米国における人的資源管理(human resource management:HRM)と企業成果についての研究、つまり「高業績管理手法(High Performance Work Practices:HPWPs)」に関する論文、文献をレビューした。その上で、日本における製造業における職場の変化、つまりセル生産を中心とする生産革新、それに伴う現場組織、その管理方式、HRMの変化に関する雑誌、文献をレビューした。 そのようなレビューに基づきある一定の仮説を思いつき、それらに従い日本国内の工場のいくつかを訪問して、そこの管理者にインタビューを実施した。特に、セル生産を導入している工場を訪問することに力点を置いた。 さらに、日本国内に所在する米国系企業の事務所を訪問し、日本人マネジャーに対して、日本事務所だけでなく、米国本社の組織、HRMの実態についてインタビューを行った。 そして、今度は、このような日本事務所でのインタビューに基づいて、米国本社での調査を行った。米国人マネジャーに対して、その会社のHRM、組織等についてインタビューを行った。さらに、米国の経営大学院の研究者にも、米国における最新のHRMについてのインタビュー調査を行った。 このような文献レビュー、及び日本国内、米国でのフィールドワークに基づいて、理論と仮説を構築している段階である。そして、今後、この仮説に基づいて、さらにフィールドワークを続け、さらにアンケート調査を実施し、戻ってきた回答に基づいて統計的分析を実施する予定である。
|