本研究の目的は、(1)女性の参画を日本の企業組織の変化とのかかわりでみていくこと、(2)女性を登用した日本企業の事例をもとに、女性の参画と組織のパフォーマンスとのかかわりを検討することである。これらを明らかにするため、本年度は、以下の2つの調査を新たに実施した。 1.ダイバシティ(とくにジェンダー)を戦略的に取り込む米国の理論モデル・先進事例に関するヒアリング調査 ・(1)女性リーダー登用による組織のパフォーマンスの向上・(2)組織文化の変容・(3)環境からのプレッシャーに応じた企業の戦略的行動について、米国・カナダのダイバシティ研究者へのヒアリングおよび意見交換を実施 2.女性登用のボトルネックである製造企業のグローバルレベルでめダイバシティマネジメントの取り組みに関するヒアリング調査を開始 ・海外子会社における外国人登用・外国人女性役員登用の事例調査 また、昨年度に引き続き実施した調査に関しては、それぞれ集計・分析を行った。 1.女性をポジティブに登用する企業の従業員を対象にした質問票調査の回収・集計 ・前年度のヒアリング調査にもとづき、「組織的支援」「店長のリーダー行動」「部下の行動とモチベーション」と「店舗の業績」との関係性をみるため、関東地区の各店舗の店長およびその部下2名に対し実施した質問票調査を回収・集計 2.女性をポジティブに登用する企業に対するヒアリング調査のまとめ ・女性店長登用事例と男性店長との比較、店舗の業績向上にむすびつくプロセスの比較 ヒアリングのデータの分析 3.企業の人事部を対象とした大量サンプル調査のフィードバック 研究成果にかんしては、(1)Career Development International Special Issueへの寄稿、(2)経営行動科学学会ワークショップ(名古屋市南山大学)にて中間報告を行った。
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