本研究の目的は、(1)女性の参画を日本の企業組織の変化とのかかわりでみていくこと、(2)女性を登用した日本企業の事例をもとに、女性の参画と組織のパフォーマンスとのかかわりを検討することであった。 本年度は、ジェンダーだけでなく、国籍や様々な次元のダイバシティにその対象を拡大し、さらに米国企業および英国企業の取り組みについても調査を行った。日本国内でのジェンダーダイバシティを取り扱う能力と組織の特徴、さらにはグローバル経営での成功との関係性を検討するため、次の3つの調査を実施した。 1.ダイバシティに戦略的に取り込む米国の先進事例に関するヒアリング調査 2.日本のグローバル企業に対し、欧州での国籍のダイバシティの進展とそのマネジメントにかんする調査 3.英国の女性役員登用と経営成果に関するヒアリング調査 ・女性役員登用と組織の経営業績、および経営の透明性との関係性について、英国のダイバシティ研究者に対し調査 また、本年度の研究成果として主なものは次の4つである。 1.これまでの研究成果を統合した、単著『ダイバシティ・マネジメント-多様性をいかす組織』(白桃書房)の出版(2005年9月) 2.米国企業のダイバシティに対する戦略的行動の調査結果報告書(2005年7月) 3.国際ビジネス研究学会第12回全国大会(広島市立大学)および経営行動科学学会全国大会(慶応大学)での成果報告 4.Career Development International Special Issueへの寄稿を行った。
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