研究概要 |
本研究は,日本及び世界各国における上場企業及び外部監査人を対象として、面接調査とその結果をもとにしたアンケート調査を実施し、各国における(1)内部統制の実態、および(2)外部監査における内部統制評定とその報告の実態を把握しようとするものである。 本年度は,そのための準備として,内部統制及びその評定に関連する資料をもとに,日本及び世界各国の制度及び実務の状況を調査・検討した。その過程で明らかになったことは,アメリカにおいて新たに提案されているリスク・マネジメントのフレームワークに見られるように,内部統制のフレームワークの内容が,近年,ビジネス・リスクを始めとするリスク対応に焦点を当てたものへと大きく変化してきていることである。(その点については,アメリカの動向を中心として,後述の雑誌論文にまとめられている。) また,海外の調査に先立って,日本の上場企業及び監査人を対象とした郵送方式のアンケート調査を実施した。現在,その結果の分析中である。 アンケート調査と同時に,内部統制の評定に焦点を絞った国際比較研究のための質問事項を策定し、日本の監査人を対象としたパイロットテストを実施し,質問事項の内容の調整を図ってきた。質問事項及び質問に当たっての資料の作成は終了し,日本においては,2004年3月期決算にかかる監査業務の繁忙期終了後の7月に,海外については,2004年9月に調査を実施する予定である。
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