平成16年度も、平成15年度に引き続き、東京証券取引所第一部および第二部上場企業を対象に、ディスクロージャー情報データベースの構築を行った。具体的には、決算発表情報および業績予想修正情報である。決算発表情報のうち決算発表日データに関しては、平成15年度末時点で1980年から2002年までの期間のデータ入力が終わっていたため、平成16年度は、この期間の確認作業を予定し、実際に完了した。決算発表情報のうち業績予想データに関しては、平成16年度から着手し1990年以降のデータセット完成を目指した。実際には、1997年から2003年までの7年間のデータを収集に止まったが、確認作業は終了している。他方で、業績予想修正情報に関しては、当初計画の1989年から2002年までのうち、平成15年度末時点で1994年から1998年までのデータ入力と確認作業が完了していた。平成16年度は、残りの期間のデータ入力および確認作業を行い、当初目的の達成がほぼできた。 当初計画では、東京証券取引所上場企業のみを対象としていたが、近年のベンチャー企業への関心の高まりを受けて、Jasdaq登録企業も対象に加えることとした。具体的には、決算発表情報および業績予想修正情報であるが、さらに、新規株式公開に関するデータ、たとえば、社歴、社長の年齢、取締役会の構成などの収集も行った。Jasdaq登録企業のデータについては、まだ十分なデータを収集できていないが、17年度中には完成させたい。 以上のデータベースを用いた成果の一部は論文として発刊されている。また、平成17年度7月に発刊予定の論文集の一章を担当しており、すでに原稿は提出済みである。さらに、Jasdaq登録企業を対象に新規株式公開企業に関する共同研究を行っているが、すでに分析は完了しており、平成17年中に学会等で発表した後、学術雑誌に投稿予定である。
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