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2004 年度 実績報告書

現代日本の建設産業における飯場型労働の構造と再編に関する社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15730232
研究機関弘前大学

研究代表者

山口 恵子  弘前大学, 人文学部, 助教授 (40344585)

キーワード飯場 / 建設業 / ホームレス / 下層労働市場 / 寄せ場
研究概要

本研究では、関東圏の下層建設労働者の就労構造の変容について、とくに飯場などの職住一体化した職場の実態に焦点をあてて明らかにすることを目的としている。本年度は大きく分けて、(1)青森県出稼ぎ者名簿のデータ整理、(2)野宿者・日雇労働者・組合関係者への建設業および飯場労働に関する聞き取り調査、(3)建設業の事業主調査、(4)建設業関係に関する社会地図の作成、(5)資料・文献収集、の5つの作業を行った。
(1)については、昨年度、平成13年度の青森県出稼ぎ者名簿の入力作業を行ったが、煩雑であったそのデータを整理し、簡単な分析を行った。約1万件のケースについて、出身地域やジェンダー差、および年齢による就労状況の差異を明らかにした。(2)については、週に一度の組合を中心とした労働相談への参加、日雇労働市場である「山谷」の越年・越冬の取り組みへの参加、また個人的に野宿者への訪問などを通して、数回にわたる聞き取り調査と参与観察を行った。(3)については、昨年度からの調査準備を受けて、関東圏(東京都、埼玉県、神奈川県)の建設業事業主への聞き取り調査を行った。寄せ場・山谷に求人を出している事業主6名に対して、事業所を訪問し、一人平均2時間ほどの自由面接調査を行った。建設業の重層的下請構造の変容、出稼ぎ労働と寄せ場労働の関係、建設業における飯場制度の役割、山谷労働者の位置づけなどについて、多くの知見を得た。本調査は来年度も継続予定である。(4)では、近年の関東圏における建設業従業者・建設業事業所・「ホームレス」等の分布について社会地図を作成し、空間構造を把握した。(5)は、基本的な書籍と行政資料の収集である。本年度は特に建設業および派遣・請負業のマクロデータや政策資料、研究雑誌等を集中的に収集した。それらの入手の際には一部、建設関係の社団法人や財団法人、研究所を訪問し、あわせて聞き取りも行った。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 大都市における貧困の空間分布-1975〜2000年のセグリゲーションの様態2005

    • 著者名/発表者名
      山口恵子
    • 雑誌名

      貧困と社会的排除-福祉社会を蝕むもの

      ページ: 147-167

  • [雑誌論文] 貧困の空間分布2004

    • 著者名/発表者名
      山口恵子
    • 雑誌名

      新編東京圏の社会地図1975-90

      ページ: 189-207

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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