今年度は、以下の4点について研究をおこなった。 1.災害ボランティアを中心とした日本におけるボランティア活動の現状 平成16年10月に発生した新潟県中越地震での被災者支援をおこなうボランティア活動について、現地での調査および資料収集、またボランティアコーディネーターなどから意見を聴取した。ここでは、阪神淡路大震災の教訓がどのように生かされているのか、そして地域共同体が機能している社会でのボランティア活動はどのようになるのかについて特に注目した。さらに、学生が中心となっておこなっている長期支援活動に参与観察した。それらを元に、「災害復興期における公共性と市民活動」を著した。 さらに、中越においてボランティア活動をおこなっている人びとを神戸に招き、阪神淡路大震災時に活動した人びととの交流をおこない、その様子を記録し、分析した。 2.台湾における災害復興活動の調査 平成17年8月におよび12月に台湾で、災害復興活動特に中山間地での活動調査をおこなった。それを元に、台湾における市民活動団体の活動について共著した。 3.中国における災害救援活動とボランティア活動 8月に北京で、災害救援とリスクマネージメントに関する国際学会に出席し、ボランティア活動についての情報を収集するともに、日本における活動に関する発表をおこなった。 4.ボランティア活動とアイデンティティに関する国際比較研究 ニュージーランドにおいて、日本、台湾、中国、アメリカ、ニュージーランドにおける社会的アイデンティティについての国際比較研究の打ち合わせおこない、その後、日本においてインタビューおよびアンケート調査をおこなった。
|