今年度は以下の研究から、保育料の利用者負担に関する理論的考察を行うとともに、次年度以降に行う自治体へのヒアリング・アンケート調査、利用者へのアンケート調査に向けての準備を行った。 1.国内外の保育制度・保育料・利用者負担に関する論文・書籍の収集、保育関係団体の刊行物の収集を行い、保育料利用者負担や保育制度に関する基礎資料を得るとともに、収集した資料の内容を分析することにより、保育料の変遷や保育料に関するこれまでの議論を、応能負担や応益負担といった費用負担方式の視点などから整理した。また、保育料に関する質問項目を含むアンケート調査を行っている各自治体や保育関係団体の調査報告書を入手し、その調査の結果や保育料に関する質問項目の検討を行った。 2.i-子育てネット(http://www.i-kosodate.net/home.html)で公開されている年齢階層別・所得階層別の認可保育所保育料データ(2003年11月26日〜2004年1月28日公開分)を全国各市町村すべてについて入手し、各自治体の財政力、都市規模、国の徴収金基準額との比率、徴収基準の階層区分数、児童の年齢などを考慮しながら保育料体系の分類を試みた。これにより、各自治体間の保育料格差の実態がさまざまな視点から把握でき、次年度以降の実態調査を行う上での参考資料を得ることが可能となった。
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