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本年度は調査計画に基づいて、調査の基本設計と一部NPOに対する予備調査を実施した。研究代表者の過去の研究蓄積(データおよび関係資料)と先行研究について分析を試みつつ、一部NPOに対して調査設計に関わるヒアリング、インタビューを実施し、NPOに関する研究会に参加して議論を深めることで研究の進捗をはかった。
予備調査に関して、本研究の特徴である在宅福祉NPOを「単体」として捉えるのではなく、地域社会およびその構成員との関係で捉えるという視点から分析を行い、具体的事例として神奈川県を中心に、千葉県、兵庫県で活動するNPO、それを取り巻く地域社会の構成員(中間支援NPO、購買生協、地方自治体、他地域のNPO、市区町村社会福祉協議会、保健所、地縁組織、商店街、民間企業、等)について調査を行った。
その結果、NPOの活動内容が単なるサービス提供に収まらず、サービスの複合化、アドボカシーにまで拡大し、組織基盤を強化するなかで、地域社会により影響を強めている事象を捉えることができた。また、この点について分析する際、地域社会の様々な構成員との「関係性」が鍵となっているという仮説を得ることができた。
本年度はこの「関係性」に着目した研究成果として、主に組織論的な観点から「協働」について論じた。次年度以降、「関係性」についてより掘り下げるには、組織論的アプローチだけではなくローカル・ガバナンス論の観点をより組み入れることで、当初の研究目的を果たすことが可能になるといえよう。
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