障害者の地域における自立生活の必要な要件としての居住環境の役割を明らかにするため、平成15年度においては、以下の研究を実施した。 1、障害者の居住環境課題に関する調査 本調査は、神奈川県内の自立生活センターに加入する者(在宅生活者、施設生活者を含む)を対象に、現在の生活状況、居住環境の状況等を調査した。障害者の地域における自立生活において、ハード(住宅改造等)、ソフト(居住確保のための資金援助、優先入居等)の両面にわたる居住環境の整備(支援)は、その要衝であることが確認され、また居住環境の整備と並んで福祉サービス、障害者雇用等の関連諸施策の充実が不可欠であること等も明らかになった。 2、北欧における障害者の居住環境整備支援に関する調査 スウェーデンにおける障害者の脱施設化(施設解体)の動向と、それに伴う地域でのサポート体制等について実地調査を行った。なお本調査は、近年、脱施設化が完結したとされる知的障害者領域を中心に実施された。脱施設化の進展は、施設解体に向けた施設の小グループ化、地域移行に向けたサービスの開発、職員教育等、地域生活の保障のためのグループホーム等を中心とした居住の場の確保、福祉サービス等による日常生活支援等が、並行して実施されることが重要であること等が明らかになった。
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