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2003 年度 実績報告書

幼児期における表象操作の発達的変化に関する統合的モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 15730301
研究機関大阪府立大学

研究代表者

岡本 真彦  大阪府立大学, 総合科学部, 助教授 (40254445)

キーワード表象操作 / 発達 / 2表象課題
研究概要

本研究では,3つの表象操作課題を用いて,幼児の表象操作の発達過程,特に,複数の心的表象の統合が何歳ぐらいから可能になるのかという観点に焦点を当てて分析検討する。具体的には,本研究の目的は,(1)幼児期において複数の心的表象を統合して利用可能になる発達プロセスを明らかにすること,(2)幼児の表象操作の特徴を失語症など臨床データとの関連性の中で比較検討すること,の2つである。
この目的のうち,本年度は第1の目的について検討するために,引き出し課題を用いた幼児の他者信念理解の発達的検討と,二重透明箱課題を用いた幼児の2つの見えの統合の発達的検討を行った。
前者については,実験の結果,4歳頃の幼児にとって,他者の誤信念を理解するためには,課題状況に必然性があるという要因が特に重要であることが示された。これは,状況変化の必然性という要因によって,信念の変化に因果的な理由が生じ,自己の過去の信念と,現在の信念について関係づけて理解することが可能となり,それによって,自己の過去の信念と他者の誤信念とを統合して理解できるようになった結果と考えられる。
後者については,実験の結果,年長児,約6歳頃になると,ほとんどの子どもが2つの見えを統合して配置を再構成することができるようになっており,6歳児では2つの表象を統合することができることが明らかになった。この結果は,想像ジェスチャー課題(岡本,2002)や描画課題(藤本,1996;田口,2001)とも一致しており,4歳頃から6歳頃までにかけての表象操作の発達的変化の一部は2表象の統合であるといえよう。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 小川絢子, 岡本真彦: "他者信念理解と状況変化の必然性の関連性"日本発達心理学会第15回大会発表論文集. 16 (2004)

  • [文献書誌] 岡本真彦, 景山京子: "二重透明箱課題を用いた2つの見えの統合に関する研究"日本発達心理学会第15回大会発表論文集. 350 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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