(1)遊び場面における幼児同士の日常のやりとりデータの分析 今年度の9月より、以前とは異なる幼稚園へ定期的に訪問し、フィールドノーツをつけつつ、ビデオ撮影を行った。 これらのデータと、以前に収集した幼児同士の自由遊び場面のビデオ観察データを比較しつつ、子ども同士が「意図を共有する」場面の分析を行った。 また、今までに行ってきた子どもの遊び場面の記述とその解釈を見直す中で、理論的枠組みに客観的な記述をあてはめようとしてきたことを見出した。子ども同士のやりとりを理解しようとするときに、理論的枠組みは欠かせないものであるが、その理論を本当に自分のものとするときには、子どもの日常を記述する方法も、十分に検討し変容する必要があることを考察した。特に、観察者自身の物語世界とともに子どもの世界を記述するという点については、来年度に引き続いての課題としたい。 (2)実験場面によるデータの収集の準備 今年度は、日常場面の子どもたちの「意図」および「共感」の共有のあり方を探るため、家庭及び幼稚園での幼児のやりとりの観察を行った。また、それに関連する研究会等に参加する中で、子どもたちの「意図」の共有、「共感」に関しての分析視点を深めることができた。
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