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2004 年度 実績報告書

救援者の災害ストレス(PTSD、CIS)の予防とケアに関する臨床心理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15730328
研究機関鹿児島純心女子大学

研究代表者

餅原 尚子  鹿児島純心女子大学, 国際人間学部, 助教授 (70352474)

キーワードCIS(惨事ストレス) / PTSD(外傷後ストレス障害) / ストレス緩和 / ディブリーフィング / カウンセリング
研究概要

1.東欧の災害後の状況視察と救援者のストレス等の情報収集(ハンガリー:ブタペストのNational Institute of Mental Healthやペーチ大学)、英国:ロンドンのTraumatic Stress Clinicにおける救援者の災害ストレスヘの予防やケア等の現状を把握し、情報交換等を行なった。同時に、1997年に発生した鹿児島県北西部地震、同年出水市土石流災害によるストレス(PTSD,CIS)の発生状況とケアの現状等について研究発表をした。海外視察ならびに研究発表に際しては、研究協力者(災害ストレス研究の第一人者である久留一郎氏)から専門的知識の提供、海外研修のコーディネート等の支援を得ることができた。
2.救援隊に対するメンタルヘルス対策についての実態を調査した。その結果、K県消防署等においては、PTSD(外傷後ストレス障害)、ならびにCIS(惨事ストレス)に対応できる専門家は常駐しておらず、通常のメンタルヘルス等に対して保健師等が応じていた。しかし、毎年、定期的にPTSDやCISの専門家を招聘し、研修会を行っていた。海上保安本部では、スマトラ沖地震後のレスキューに携わった保安官へのPTSDならびにCIS発症の予防等を実施していた。
3.平成15年度に実施したアンケート調査の結果については、SPSSを用いて、惨事状況とストレスとの相関についてクロス集計を行った。その結果、「悲惨な光景や状況に遭遇した」88.0%の消防署職員は、動揺、感情移入、疲労、怒り・不信感、無力感、身体の不調と相関がみられた(P<0.05)。さらに、「ひどい状態の遺体を目にした、あるいはかかわった」79.4%の消防署職員は、疲労感、身体の不調を訴えていたことが明らかになった(P<0.05)。業務後に安心して気持ちを解放できる人の存在、職場や家族の理解やあたたかい雰囲気、心身ともに休養できる時空間が重要であることが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 救急・消防隊員のストレスに関する実態調査-PTSD(外傷後ストレス障害)に視点をあてて-2004

    • 著者名/発表者名
      餅原尚子
    • 雑誌名

      日本心理臨床学会第23回大会発表論文集

      ページ: 278

  • [雑誌論文] 消防署職員の惨事ストレス(CIS)に関する実態調査-惨事状況との相関に視点をあてて-2004

    • 著者名/発表者名
      餅原尚子
    • 雑誌名

      九州心理学会第65回大会発表論文集

      ページ: 47

  • [図書] 新臨床心理学(橋口英俊・滝口俊子編著)2004

    • 著者名/発表者名
      餅原尚子
    • 総ページ数
      340
    • 出版者
      八千代出版

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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