• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

視覚的注意の抑制メカニズムにおける適応的機能性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15730330
研究機関東京大学

研究代表者

永井 淳一  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (10343104)

キーワード視覚的注意 / 抑制機能 / 負のプライミング / ディストラクターの干渉 / 高次視覚
研究概要

視覚的注意の機能の一つに、行動の目的から見て必要ではない情報(ディストラクター)の処理を抑制する働きがある。この抑制機能は,ディストラクターによって行動が干渉されることを防ぐメカニズムであると考えられる。本研究では,実験心理学的手法を通じてこのような抑制機能の適応的なメカニズムを明らかにすることを目的とし,前年度に引き続き,ディストラクターによる干渉と「負のプライミング」の関係の検討を行った。
まず,英文字の音韻判断課題(母音か子音かの判断課題)を用いた実験1では,ディストラクターのサイズを小さくして呈示したところ,ディストラクターによる干渉はサイズの変化に関わらず生じたのに対して,負のプライミングはディストラクターのサイズが小さい(文字として認識しにくい)条件で消失するという結果が得られた。これに対して,実験1と全く同じ刺激を使用し,英文字の形状判断課題(直線的か曲線的かの判断課題)により行った実験2では,ディストラクターのサイズの相違に関わらず,干渉と負のプライミングの両方が生ずるという結果が得られた。
以上の結果から,ディストラクターによる干渉が刺激のさまざまな属性次元において課題非依存的に生ずるのに対して,ディストラクターに対する抑制(負のプライミングに反映される)は,課題目標に関連する属性次元のみにおいて生ずる合理的・適応的な処理であることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 妨害刺激による干渉と負のプライミングの関係の検討2005

    • 著者名/発表者名
      永井 淳一
    • 雑誌名

      Technical Report on Attention and Cognition No.16

      ページ: 1-2

  • [図書] ことばの実験室:心理言語学への招待(第2章「視覚とことば」分担執筆)(川崎 惠里子(編))2005

    • 著者名/発表者名
      永井 淳一
    • 出版者
      ブレーン出版(印刷中)

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi